「CADi」は認知症早期発見のための検査アプリです。Cognitive Assessment for Dementia, iPad versionの頭文字をとりCADiと命名しました。住民健診等におけるマススクリーニングでの使用を想定しています。
※重要:CADiは認知症の可能性のある方を検出するのが目的であり、この検査における低得点が直ちに認知症を意味するものではありません。同様に高得点が認知症でないことを確証するものでもありません。
【主な機能】
認知症早期発見のための一次スクリーニング用検査です。
◆CADi検査項目の構成
本検査は10個の項目で構成されます。
1.即時再認、2.エピソード記憶、3.計算、4.カテゴリー判断、5.逆唱、6.直方体回転、7.四角錐回転、8.トレイルメイキングA、9.トレイルメイキングB、10.遅延再認。
1項目1得点の10点満点で評価されます。また、各設問を回答するのにかかった時間も記録されます。
◆必須装置
CADiは音声で問題が提示されるため、ヘッドフォンを必要とします。ヘッドフォンは密閉型が推奨されます。検査者の声が聞こえなくなるため、ノイズキャンセラーのついたヘッドフォンの使用は避けてください。
◆使用条件
CADiは検査者と被験者が一対一で行うことを想定しています。事前に内容を把握した検査者が被験者につき、被験者を補助してください。答えを教える以外の補助(分かりやすく言い直してあげる等)は問題ありません。被験者が単独でこの検査を行った場合、その結果はあまり信頼できるものではありません。
下記ウェブサイトよりマニュアルがダウンロードできます。検査者の方は実施前にご一読ください。
http://www.shimane-u-internal3.jp/files/20121206111210.pdf
◆検査の流れ
検査は個人識別のためのID入力、ヘッドフォン装着、タッチ練習、練習問題2問、本問題10問、フィードバックの順に行います。音声と画面の指示に従ってください。
◆評価
※重要:以下の基準は暫定であることに留意ください。
以下のデータから,10点満点中5点以下が2次検査やフォローアップの対象者になります。
・ポピュレーションデータ(65歳以上の高齢者1791名)においてCADi5点以下は9.5%であり、久山町研究(Sekita et al., 2010)の認知症有病率8.3%に匹敵する。
・認知機能評価のグローバルスタンダードであるMini-mental state examination(MMSE)とは高い相関をもち、MMSEのカットオフラインがCADiの5点に相当する。
(これらのデータは島根大学医学部神経内科で得られたものである。)
また点数が高くても極端に時間のかかる方なども対象者になりえます。
◆データ管理
検査データはメールに添付して送信する方法と、iTunesに接続して取り出す方法が用意されています。また、iTunesからsqlite3形式のデータベースファイルが見えるようになっていますので、直接それをコピーしてデータを取り出すことも可能です。詳しくはマニュアルをご参照ください。
【その他の機能】
◆玉ころがしゲーム
認知機能維持のためのアプリとして、玉ころがしゲームが付属しています。非常に簡単な面から若者でも難しい面まで、全部で30面あります。このゲームもクリアするまでの時間等が記録されます。ご自由に活用ください。
さらに詳しい情報は、以下のウェブサイトをご参照ください。
http://www.tpj.co.jp/